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(財)大阪歯科衛生研究財団 祖父江 鎭雄
我国においては昭和36年に国民皆保険制度が導入され、総ての国民が何時でも何処でも安心して一流の医療を受けることが出来るという世界に類をみないほどの充実した医療制度の恩恵に浴することが可能となっています。この50年間、我国の歯科医療は目覚しい発展を遂げてまいりました。諸外国の歯科医学・医療の模倣から脱却し、健康保険制度の充実とも相まって、我国独自の歯科医学・医療を構築してまいりました。
現代の科学は専門分化されつつある中で、統合への転換が期待されております。医学領域にあっても、より深い専門性が追求され、学術の深さと技術の向上に努めるのみならず、統合的な視点に立った展開の必要性が同時に求められています。つまり歯科領域においてもより深い専門性の追求とともに統合的な診かたの出来るホームドクター的能力のある歯科医師が国民から求められてきており、保険制度では“かかりつけ歯科医制度”が発足されました。このような現況の下に皆様におかれましては常日頃国民のための質の高い歯科医療がいかなるものであり、いかにそれを提供し続けていくべきかとご苦労されていることと思います。
医療の質の要素には、学術・技術的要素と人間関係的要素(アメニティ的要素)とがあります。この2つの要素には相関性がありますが、歯科医療提供者どちらかというと学術・技術的要素を重視してきました。しかし患者は人間関係的要素を重視する傾向にあります。最近では歯科医院選択の要素として人間関係的要素、つまり満足度を重要視する傾向が強くなってきてまいりました。例えばQOLの重視、インフォームド・コンセントの重要性、患者の感受性に依存されがちなアメニティーの視点などが患者の満足度に大きく影響されるようになってきました。
国民の歯科的健康管理は患者自身とその家族、そして歯科医師の口腔の健康を護ろうする三者の情熱と実践が調和することによって、はじめて成果の得られるものです。なかでも深い学識に裏打ちされた歯科医師による技術の提供とその情報の患者への伝達は質の良い医療に極めて重要であり、皆様方もご努力されていることと思います。新しい時代の歯科医療は患者の満足度に裏打ちされて、患者と共に歩みながら健康づくりをしていくことが大切でありましょう。
(財)大阪歯科衛生研究財団ではこのような視点からその主旨に基づく講演会を開催し、お互いに切磋琢磨する機会を設けました。皆様におかれましては、この主旨にご賛同いただき、会員となられることをお勧めします。そして会員の中でも患者の満足度の高いことが優良歯科医院の中心的課題であると認識し、それに向けて取り組み、質の高い、歯科医療を提供されている方ないし、医療機関を優良歯科医院を認定する制度を設定いたしました。このウエブサイトをご覧下さり、活用をされることを願うものであります。
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